1985年、東レは研究から開発への流れをさらに加速させるために、研究、技術開発、生産、エンジニアリング部署が一体となった「技術センター」を設置しました。
技術センターを設立したのとほぼ同時にマーケティング、プロダクト、リサーチの英字頭文字をとったMPRという仕組みも導入しました。MPRは研究、エンジニアリング、生産技術、商品開発、マーケティングのそれぞれの担当役員をはじめ、各部門における技術のトップから現場までのメンバーが一緒になって、商品開発戦略を話し合う場です。
営業や開発担当者は、国内の産地企業が集積している北陸へ自ら足を運びます。そこでは糸加工業、製織企業やニッター、染色加工業といった生産現場の開発担当者と自由でクリエィティブな発想で意見交換をおこないます。
また、商社や生地卸企業、アパレル企業や小売り企業といった顧客と一緒に北陸産地を訪問することもあります。
こういった企業間連携によるイノベーションの創出は、新しく生まれた糸を、顧客の求めるテキスタイルに変える。または、顧客のニーズを反映した新たな糸を開発する。
このような双方向の価値創出を素早く行えるのは、参加者全員が同じ場で同じ目線で同じ目標を見据えることができるからです。
ファッションの一番の効能はお気に入りの服を着たときの“心の高揚感”。
でも、その高揚感をもっと心地よいものにしていくために、素材はどうあれば良いのでしょうか。
東レは、着心地を科学的な観点から考えて検証していく最先端の設備であるテクノラマGⅢ®を
滋賀県大津市瀬田にあるテキスタイル・機能資材開発センター内に持っています。
テクノラマGⅢ®は、北極圏や南極圏のような低温環境やゲリラ豪雨などの気象条件を人工的に再現して
テキスタイルの性能をテストする人工気象室です。
テクノラマGⅢ®の人工気象室内で、人間工学に基づく生理解析やスポーツ工学に基づく動作解析を行うことで、
日常から非日常までの様々なシーンでの服を着る人にとっての快適性を研究しています。
そこで得られたデータをもとに、素材が創造する新しい可能性を追求しています。
-ファッションで“心の高揚感”を得る-東レはこれからも進化し続けます。